ドメイヌ・タケダ　ブリュット シャルドネ’97　7 | シャトー タケダ・ドメイヌ タケダ・その他

人気の高い『キュベ・ヨシコ』同様、シャルドネ種を100％使用し造られた、エクストラブリュットのスパークリングワインです。『キュベ・ヨシコ』とはコンセプトが少し違った長期熟成の味わい深いスパークリングワインです。

砂と粘土が混ざり合った畑（通称南斜面）と標高の高い（通称新畑）から収穫されたシャルドネを使用。平均樹齢20年。ぶどうの収穫は通常、糖度を指針に収穫を行いますが、スパークリングワイン用葡萄は、酸度を重視して早めに収穫します。収穫後、ただちに除梗・破砕、搾汁を行います。一晩静置後デブルバージュ（前清澄）し、アルコール発酵を行います。出来上がったワインを、フランス シャンパーニュ地方の伝統製法（メトード トラディショネル）でスパークリングワインに仕上げます。伝統製法とは、出来上がった白ワインに砂糖と酵母を加え瓶に詰め密閉し、10度に保った部屋で瓶内二次発酵を行い、スパークリングワインに仕上げることです。その後、酵母（澱）をビンの口に集め急速冷凍し、ビン内圧力で押し出し除去します（これをデゴルジュモンといいます）。目減りした分の補充は、リキュールなどを用いるドザージュは行わず、同じワインで行い、エクストラブリュットに仕上げます。そしてコルクを打ちワイヤーをかけ、半年から一年セラーに寝かせてから製品化します。スタイルとしては、ブラン ドゥ ブラン、エキストラ ブリュト、ノンドゼです。グラスに注いだ時の細やかな泡立ちは、二次発酵で酵母が生んだ炭酸ガスがワイン中に溶け込んだものです。この気品ある泡立ちが、ますますワインを香りたかく、すっきりとさせているのです。

1997年は、日照量は平年並みであったものの、気温は成長期の6、7月が高めで、降雨量も6月が例年より多めの為、成長期に充分な成育となりました。また、成熟期の8月は雨量が非常に少ないという好条件でした。結果として、出来上がった葡萄は、糖度と旨味がのりながらシャープな酸がしっかりと残ったものとなり、従来の自家農園シャルドネとは一味違った個性を持つ良質な出来でした。私たちは、この葡萄を手にして、弊社トップキュベ「ドメイヌ タケダ≪キュベ ヨシコ≫」とは違うコンセプトの長期熟成タイプのスパークリングワイン造りにチャレンジすることにしました。

この葡萄の個性を引き出せるよう醸造し、伝統的製法で3年をかけてスパークリングワインに仕上げました。デゴルジュモン直後のテースティングにおいても、原料となった葡萄の印象そのままに、シャープな酸がしっかりと主張するものとなっていました。これならば、長期熟成に耐え得ると判断し、セラーにてゆっくりと大切に大切に熟成させてきました。そして、デゴルジュモンから7年を経過し、≪キュベ ヨシコ≫とはまた異なる、熟成したマイルドなスパークリングワインとなりました。こういったチャレンジが出来るのも、自家農園で葡萄と真剣に向き合い、日本を代表するスパークリングワイン造りに定評のある、タケダワイナリーだからこそです。
【ワイナリーより】